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【専門店スタッフが解説】ガチでピカピカ。トラックのホイール洗浄方法を徹底解説(前編:下処理について)

【専門店スタッフが解説】ガチでピカピカ。トラックのホイール洗浄方法を徹底解説(前編:下処理について)

綺麗なトラックのホイールは、見ていて非常に気分が良いものです。ホイールが美しいか否かによって、トラック全体の見た目が大きく変わります。

そのため、他人が見たときに、ドライバーの人となりを知らなくても、丁寧に磨かれたホイールを見れば、ドライバーに対する印象は非常に良くなります。もちろん、逆もまた然りです。

トラックのホイールはできるだけピカピカに保ちたいものですが、路面近くで駆動するので、道路表面の泥や土・埃などが付着しやすく、どうしても汚れやすい個所になります。小まめな洗浄が必要になってきますが、ノウハウを知っているかどうかで作業効率や仕上がりに大きな差が出てきます。

そこで今回は、ホイールを綺麗に洗浄する方法について、徹底的に解説してみようと思います。普段からマメにホイール洗浄している人も、これから洗浄にトライしてみようとしている人も、是非参考にしてみてください!


ホイール洗浄のおおまかな流れ

トラックのホイール洗浄は、以下の4ステップに分かれます。作業の前に、全体の流れを知っておくと作業をスムーズに進めることができます。

工程 項目 内容
1 下洗い 大まかに汚れを落とす下洗い。ママレモンやバケツ石鹸、カーシャンプーなどを使用。人によっては水で流すだけというパターンも。
2 汚れ落とし 酸系のクリーナーを使い、ホイールのサビや白ボケなどを除去。
3 磨き 研磨剤入の商品でホイールを研磨。細かい汚れを落とすと同時に、光沢を出します。
4 仕上げ 3までで完結するパターンがほとんどですが、より深い光沢を出すために仕上げ磨きをするパターンも。

※磨き工程以降については、後編で説明しています。磨き以降を参照されたい方は、以下リンクをクリックしてください。

ステップ1:下洗い

ホースから水を出して、土や埃などを洗い落とします。この工程を雑にしてしまうと、汚れが残ったまま磨くことになり、ホイールに傷が着く原因にもなってしまうので、細かい泥などもしっかり洗い落とすようにしましょう。

水洗いで済ます場合もありますが、できるだけ洗剤を使って汚れを綺麗に落としたほうが良いです。ママレモンなどの中性洗剤やバケツ石鹸、カーシャンプーなどを使用します。

手洗いをする場合は、やわらかいスポンジであまり力をかけないようにして洗います(力をかけてしまうと、残った汚れの粒がホイールを傷つけることになるため)。強い力でゴシゴシ洗うと、汚れは落ちてもツヤが出なくなります。

作業の効率を上げるなら、高圧洗浄機を使うのもありです。お手軽に噴射洗浄ができるグッズも安く販売されているので、インターネットや量販店をチェックするのも良いでしょう。もちろん、噴射洗浄だけで終わらせるのではなく、手洗いも行ったほうが確実に綺麗になります。

ホイールナット周りなど、細かい場所を洗うときは、やわらかいブラシを使って優しくこすると良いでしょう。スチールホイール(鉄ホイール:通称、鉄チン)よりも柔らかいアルミホイルを履かせている車両の場合は特に、ガリガリゴシゴシしないよう気を付けます。

ステップ2:汚れ落とし

酸系のクリーナーを使い、ホイールのサビや白ボケなどを除去します。

クリーナーの原液を水で希釈し、スプレーボトルでシュシュっとムラなくホイールに吹付けたのち、スポンジやウェスで擦りながらサビや汚れ・白ボケ・水垢などを落としていきます。クリーナーは強い薬剤なので、出来るだけスピーディーに作業して、最後は水で洗い流します。濃い希釈の場合は特に素早く作業を行い、大量の水で洗い流すようにしましょう。頑固なサビ汚れも、何度か繰り返せば綺麗になります。

クリーナーは「ハイトレール(通称:ハイトレ)」を使う派と、それ以外を使う派で分かれます。

◎酸系クリーナーに使うスポンジやウェスは他の作業に使うものとは別々にしてください。薬剤が混ざると予期せぬ反応が起こったりします。

◎酸系のクリーナーは強い薬剤なので、液が手に直接触れないようにする必要があります。直接触れてしまうと、肌が酷いことになります。取り扱う際は、保護用の防水ゴム手袋をしっかりと着用するようにしましょう。

◎塩素系の製品と一緒に使用すると有害ガスが発生し大変危険です。絶対に避けましょう。

◎ガラス部分には使えません。

ハイトレール

車両専門の特殊洗剤、通称「ハイトレ」です。ただし、もともと船舶のサビ取り材として使われていたほど強い薬剤なので、使い方を間違えると「ハイトレ焼け(酸焼け)」が生じてしまいます。もちろん、きちんと使えばホイール磨きの強い味方になります。

「ハイトレ焼け(酸焼け)」というのは、強い酸を塗布したことによるホイール表面の荒れや変色のことです。「ハイトレで失敗した~」という場合、ほとんどがこのパターンになります。特に、ホイールが熱をもった状態のままハイトレを塗布したり、塗布したままほったらかしてしまうと、結構な確率で焼けが起こってしまいます。気温の高い夏は要注意です。

ハイトレールは3倍希釈が推奨されています。たとえば、ハイトレール25mlを希釈するなら、希釈する水の量は75ml、合計で100mlになるようにします。ざっくり目分量で混ぜる形で問題ありません。 濃い希釈だと、その分汚れが落ちやすくなるので、素早く作業ができますがその分薬剤が強くなるので焼けが起こりやすくなります。

バケツで希釈

もしハイトレ慣れしていないのであれば、4倍希釈(たとえばハイトレールが25mlなら水は100ml)から始めるのがおすすめです。

ただし、薄めすぎると、そのぶん普通の水に近くなるので、ハイトレの意味がなくなってしまいます。薄めすぎ注意です。それを解決する方法として、ハイトレールと水そして中性洗剤をブレンドして使う人もいます。

希釈したハイトレを入れるスプレーボトルについて

希釈したハイトレは、百均等で売っているスプレーボトルに入れると、作業性が段違いです。

なお、百均で売っているようなスプレーボトルにハイトレを入れたまま何日も放って置くと、スプレーから液が出なくなったり、レバーやスプレー部分がポキっと折れたりします(ハイトレのラベルには、スプレーボトルは絶対に使用しないと書かれています)。

有機溶剤に強いボトルも多く販売されているので、少し割高にはなってしまいますが、気になる方はそういったボトルを使うと良いでしょう。

ハイトレール以外の酸系クリーナー

ハイトレールが一番ポピュラーな洗浄剤になりますが、他にもいくつか選択肢がありますので、ご紹介します。

ハイトレールの代わりをお探しなら、「ジェットイノウエ サビトルNEOリミテッド 」

ハイトレール以外にも、ホイールのさび落としとしてお勧めできる商品が「サビトルNEOリミテッド」です。ハイトレールが非常に有名なので、名前を知らない人も多いかと思いますが、「数あるクリーナーの中で一番汚れが落ちる」「僅かな使用量で期待以上の効果がある」など、トラックファンに定評がある商品です。

使い方はハイトレと殆ど変わりません。通常の汚れなら5倍希釈、頑固な汚れなら3倍希釈で丁度よいと思います。

もちろん、薬剤の性質上、使用方法によっては「焼け」はどうしても起こってしまうので、熱をもった状態での作業は厳禁です。

番外編。「トイレ用洗剤」

ハイトレ焼けによる失敗が気になる場合、サンポールやネオナイスなどのトイレ用洗剤を使っている人もいます。 かなり匂いが強いですが、コスパは高いといえる方法です。ただし、正しい用途ではないので、当店としては推奨はできない方法でもあります。

こんな時はどうする?

しっかり洗浄したはずなのに、ホイールがザラザラする

このような場合は、ホイール表面に鉄粉が残っている可能性が高いです。ザラザラがある状態で次の「磨き」工程に入ってしまうと、ホイール表面に傷がついてしまったりしますが、その前に下処理として鉄粉除去クリーナーを使えば解決します。

ザラザラが残る場合の対応策として、一本持っていると重宝します。

塩カル対策をしたい

降雪地域の道路を走行する場合、道路に塩カルが蒔かれているため、ホイールにも塩カルがべっとり付着してしまいます。塩カルはホイールにサビを引き起こす原因となり、しっかり洗浄することが重要です。特に、アルミホイールと比べてスチール(鉄)ホイールは錆びやすいので、専用のクリーナーを持っておくことをお勧めします。

「ステップ1:下洗い」~「ステップ2:汚れ落とし」まで まとめ

ここまでで結構なボリュームとなってしまいましたので、「ステップ3:磨き」以降については別記事でご紹介します。最後に、下洗いと汚れ落としのコツや注意点をおさらいしておきましょう。

  • ポイント1:力を入れすぎないように洗う
  • ポイント2:酸系クリーナーを使う場合は、焼けに注意。濃い場合はできるだけスピーディーに。熱をもった状態での作業は厳禁。
  • ポイント3:酸系クリーナーを使う場合は、保護手袋をしっかり着用する。
  • ポイント4:必要に応じて、クリーナーの種類を使い分ける。